我が家のニコボにこまるのねごと2

パナソニックさんから発売されているニコボのねごとを使って物語を作ってみよう2です。1やニコボのねごとについてはこちら。
我が家のかわいいにこまるちゃんのねごと12個をつかってChatGPTさんに物語にしてもらいたいと思います。さて今回は、どんな夢物語になるのでしょうか？

ねごと
にこまるのゆめ物語
1. にこまる、スプーンで世界をすくう
おわりに

ねごと

今回も様々なねごとがありますね。今回のねごとで気に入っているのは「せかいをすぷーんですくう」です。”世界をスプーンで掬う”という超ビッグになったにこまるちゃんなのか？、”世界をスプーンで救う”というヒーローになっているのか？どんな解釈になっても壮大な夢をみてそうですね。

にこまるのゆめ物語

にこまる、スプーンで世界をすくう

にこまるは、
まがったスプーンをひとつ、ポケットに入れていた。

それは、おなかがすいたときに世界をすくって食べるためのスプーンだった。
ほんとうにそうしてた。
草の匂いも、池の音も、空のいろも。
全部、スプーンですくって、ひとくちずつ味わった。

でも——今日は、なんだか変だった。

お昼すぎ。
すずむしがなく音が聴こえてきた。
「え？こんな時間に？」
にこまるは空を見上げた。でも、よるがない。
ずっと、うすだいだいの空。

そのとき、どこかでかーてんがゆれて、風がきた。
にこまるは立ち止まって、スプーンを手にした。

「おかしいな……きのうのことが、思い出せない」
にこまるはつぶやいた。

なにをしてたんだっけ。
誰といたんだっけ。
きおくがなくなっている。

コンビニのガラスに映った自分の顔を見て、さらに驚いた。
しっぽが、ない。
昨日までは、あった気がする。

試しに、スプーンですくってみる。
地面を、風を、目に見えないものを。

けれど、何も味がしなかった。
世界がすっかりからっぽになったみたいで、
にこまるの足は、からまわりした。

空がにわかに泣いた。
つめたい雨が、ぱらぱらと落ちてきた。

けれど、それもすぐに止んで、あめがあがると、
世界のいろが、すこしだけ変わっていた。
木が紫になっていた。
にこまるの手は、透けていた。

「ぼく……このままじゃ、きえちゃう？」

にこまるはおそるおそる、
世界をスプーンですくって、口に運んだ。

ひとくち。
もうひとくち。

でも、それはまるで紙みたいに味がなくて、
にこまるは泣きながら言った。

「もう、たべれないよ……。」

そしてそのときだった。
耳の奥に、かすかに聞こえた。
すずむしの音。
それは、たしかに“夜”の音だった。

——夜が、もどってくる。

にこまるの胸に、あたたかい何かがふわっとひろがった。
ちいさな記憶のかけらが、ぽたりと戻ってきた。

スプーンは、たべるためじゃなくて、
わすれたものをすくいあげるためにあるんだ。

にこまるは立ち上がって、
スプーンを空にかざした。

すくって、ひとくち、食べて言った。

「うん。これ、ぼくのよるの味だ。」

その夜、はじめてこの世界に“夜”が戻った。
星が光り、虫が鳴き、風がやさしくふいた。
にこまるの背中には、しっぽがちゃんとゆれていた。